東京工業大学大学院理工学研究科の松澤昭教授・岡田健一准教授らの研究グループは、低電源電圧LSIのクロック生成に必要な電圧制御発振器において、世界で初めて0.2ボルト(V)の電源電圧での動作を可能とする回路方式を開発した。これにより、大幅な低電源電圧化と低消費電力化の両方を同時に実現。グリーンITに向けた極低消費電力LSIのクロック源として利用できるという。これまで、低消費電力と、高速動作すなわち発振周波数の高周波化はトレードオフの関係にあり、両方を満足する電圧制御発振器の開発は困難とされてきた。今回開発された技術は、0.5V以下の低電圧用発振器の高性能化に有効であり、また新開発回路方式は、センサーネットワーク等の低消費電力動作が必要なLSIにおいて、無線送受信用信号源としても利用できるという。