東京工業大学と国立極地研究所は、フランスのグルノーブルアルプス大学などと共に、「硫黄安定同位体組成(δ34S値)」が、南極の硫酸エアロゾルの起源推定指標としての有用性について発表した。南極の氷コアなどで確認されている硫黄については、1987年に発表された仮説の検証や、硫酸エアロゾル輸送過程の動態の解明が課題となっている。今回の研究は、硫酸のδ34S値が起源ごとに異なる値を示すという特徴に着目したもの。2011年から2012年にかけて内陸部のドームふじと沿岸部に位置するフランスの観測基地で採取したエアロゾル試料をリヨン高等師範学校の協力の下で分析し、多角的な解析を実施した結果、夏に植物プランクトン・藻類に由来する硫酸エアロゾル生成が卓越することや、硫酸エアロゾルの海洋生物由来/非海洋生物由来の構成割合が明らかとなった。非海洋生物由来の硫酸エアロゾルと鉛同位体濃度との間に有意な相関が見出され、火山もしくは化石燃料由来の硫黄が他の大陸から長距離輸送された可能性が示唆されたという。
情報源 |
東京工業大学 東工大ニュース
国立極地研究所 研究成果 |
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機関 | 東京工業大学 国立極地研究所 グルノーブルアルプス大学 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 東京工業大学 | 南極 | 硫黄 | 国立極地研究所 | 硫酸エアロゾル | グルノーブルアルプス大学 | 硫黄安定同位体組成 | δ34S値 | 氷コア | ドームふじ |
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