東京工業大学を含む日仏米の国際共同研究グループは、噴煙が成層圏まで到達し、全球的な寒冷化を引き起こした大規模噴火(成層圏火山噴火)を特定する新たな手法を開発した。過去の火山活動を復元する手法としては、極域(グリーンランドと南極)で採取したアイスコアに保存されている硫酸イオンの濃度分析に基づく「バイポーラアプローチ」が用いられてきた。しかし、この手法では「成層圏火山噴火」と噴煙が対流圏内のみにとどまる小規模な噴火との区別が困難であった。同研究グループは、成層圏における光化学反応に由来する物質の「硫黄同位体組成」に関する先行研究の成果を踏まえ、南極アイスコア5本を新たに採取し、硫酸塩の分析・解析を行った。その結果、過去2600年の成層圏火山噴火の記録復元に成功し、大規模な噴火が3回(西暦1259年・575年・紀元前426年)生じていたことが示唆された。従来法と今回の手法「同位体アプローチ」の両方を考慮することで、火山活動と気候影響の関係を高い精度で復元できるという。
情報源 |
東京工業大学 東工大ニュース
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機関 | 東京工業大学 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 東京工業大学 | 南極 | グリーンランド | アイスコア | 成層圏火山噴火 | 硫酸イオン | バイポーラアプローチ | 硫黄同位体 | 同位体アプローチ |
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