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 JAMSTECと東大、スケーリーフットの鱗における硫化鉄生成機構を解明

発表日:2019.09.20


  (国研)海洋研究開発機構(JAMSTEC)と東京大学の研究グループは、深海熱水活動域固有種「スケーリーフット」が硫化鉄結晶を鱗に保持する機構を解明した。同種は2000年以降にインド洋海域で次々に発見されている腹足類で、足の表面に鱗を持つ唯一の巻貝とされている。同研究グループは、鱗の内部に硫化鉄ナノ粒子が含まれていることを突きとめていたが、硫化鉄の生成過程は未解明であった。今回、鱗に含まれる硫化鉄について微小領域の元素分析と最新鋭の電子顕微鏡観察を行った結果、同種が本体から鱗に放出した硫黄と海水から浸透してきた鉄イオンとが徐々に反応して硫化鉄が生成されていることや、排出された硫黄のなかに共生細菌の代謝物が含まれている可能性が高いことが明らかとなった。同種は、熱水噴出孔の極限環境への適応・進化の過程において硫黄酸化細菌と共生関係を構築したと考えられており、今回新たに発見された同種の「硫化鉄生成機構」もまた、深海環境における生物にとって不可欠な生存戦略である可能性が示唆されたという。

情報源 海洋研究開発機構 プレスリリース
東京大学大気海洋研究所 プレスリリース
機関 海洋研究開発機構 東京大学
分野 自然環境
キーワード 東京大学 | 熱水噴出孔 | JAMSTEC | スケーリーフット | 硫化鉄結晶 | 鱗 | インド洋海域 | 腹足類 | 硫化鉄ナノ粒子 | 共生細菌
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