金沢大学などの研究グループは、水素発生触媒の触媒活性を示す原子の位置(触媒活性サイト)を電気化学的に可視化(イメージング)することに成功したと発表した。水素ガスの効率的な生成技術が求められており、水素発生反応の触媒として、安価で大量作製可能な二酸化モリブデン(MoS2)等に期待が寄せられる。しかし、従来用いられている触媒(白金)と比べて触媒能が低いことが課題とされている。そのため、触媒能を向上させる取組が活発に行われているが、その評価は材量全体の水素発生反応の効率から評価されていて、電気化学的に活性な部分がどのように分布されているかは明確でなかった。同研究グループは高解像度の「走査型電気化学セル顕微鏡(SECCM)」を開発し、MoS2ナノシートの触媒活性サイトのイメージングに成功した。この研究成果により、効率的な水素発生触媒の開発に活用されることが望まれるという。