北里大学、琉球大学、産業技術総合研究所、総合地球環境学研究所、東京大学、トロピカルテクノプラスの研究グループは、サンゴがCO2固定に貢献していることを実証した。──サンゴの骨格は炭酸カルシウム(CaCO3)を主成分としている。長い年月をかけてサンゴ礁を形成するまでの間、海水中のカルシウムイオン(Ca2+)と炭酸水素イオン(HCO3-)の反応が継続するが、その際にCO2を固定しているのか放出しているのかは不確定な部分が多く、地球規模の炭素循環においてサンゴ礁が果たす役割に関する議論の課題となっている。──今回、研究グループは、共焦点レーザー顕微鏡を用いて、サンゴ幼生の骨格形成部位である細胞外石灰化液(ECM)を観察し、カルシウムイオンの輸送経路やECM内のpH変化を詳細に調査した。その結果、ポリアミンがECMのpHを上昇させ、炭酸カルシウムの形成を促進することが明らかとなり、CO2放出は起こらず、むしろCO2を効率的に固定することが示された。──本成果は、サンゴ礁がCO2固定に貢献していること裏付ける確かな証拠であり、地球規模の炭素循環における地位を再評価するきっかけとなるものである。研究グループは、“石灰化生物によるブルーカーボン(Biogenic Calcifying Blue Carbon)”という新たなメカニズムの存在を提唱している。サンゴ礁保全に貢献できる仕組みづくりへの応用展開も目指している。
情報源 |
北里研究所 新着情報
琉球大学 研究成果 産業技術総合研究所 ニュース 総合地球環境学研究所 ニュース 東京大学大学院農学生命科学研究科 News |
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機関 | 北里大学(学校法人北里研究所) 琉球大学 産業技術総合研究所 総合地球環境学研究所 東京大学大学院農学生命科学研究科 |
分野 |
地球環境 自然環境 |
キーワード | 炭酸カルシウム | サンゴ | ブルーカーボン | 石灰化 | CO2固定 | 骨格形成 | ポリアミン | pH上昇 | 共焦点レーザー顕微鏡 | 細胞外石灰化液 |
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