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 農研機構、適応策検討にも活用できる水循環解析モデルを開発

発表日:2020.10.12


  農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、現行の渇水対策をめぐる問題や、農業水利が河川水量の調整に果たす役割等を踏まえ、自然界の水循環と農業用水の循環をあわせて解析するシミュレーションモデルを開発した。このモデルは河川の流量を1 kmメッシュごと、1日ごとに推定できるもので、一部の地方農政局では流域スケールの水資源量の把握や渇水予測に利用されている。今回、同モデルに気候変動シナリオに基づく降水量(予測値)を入力し、2050年~2070年頃の河川流量を全国スケールで評価したところ、渇水流量(10年に一回の確率で生じる渇水発生時5日間の平均流量)を指標として、5月(代かき期)・8月(出穂期)に渇水が発生しやすい地域を数段階に区分(図示)できることが分かった。また、灌漑期全体の日流量の変化率(1981~2000年間比)を推定することも可能であるため、農業用水と取り巻く水資源の全体像はもとより、適応策などの長期的な対策(農業水利施設の整備、改修等)に係る自治体レベルの計画策定にも活用できるという。

情報源 農業・食品産業技術総合研究機構 プレスリリース
機関 農業・食品産業技術総合研究機構
分野 地球環境
キーワード 適応策 | 河川流量 | 農業水利 | 農業用水 | 地方農政局 | 渇水予測 | 気候変動シナリオ | 渇水流量 | 灌漑期 | 農業水利施設
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