国内ニュース


 長崎大、高温がゲンゴロウ類の分布にもたらす影響を解明

発表日:2020.11.06


  長崎大学の研究グループは、地球温暖化などに起因する高温がゲンゴロウ類の分布にもたらす影響を解明した。南西諸島、九州や四国の南部に残存していたゲンゴロウの一種である「コガタノゲンゴロウ(学名:Cybister tripunctatus lateralis)」は、絶滅の危機が最も高いとされる環境省レッドリストの絶滅危惧IA類に指定されていたが、2010年頃から西日本を中心に増加・分布拡大が確認され、2012年には絶滅危惧Ⅱ類に下方修正されていた。今回、この増加原因を探るため、同種および近縁2種(ゲンゴロウ、クロゲンゴロウ)の幼虫を異なる温度で飼育し、生存率等を調べた。その結果、コガタノゲンゴロウは発育下限温度(それ以下では成長できない温度)が他種よりも高く、高温になるにつれて生存率が上昇することが明らかになった。増加の背景には地球温暖化の影響が示唆され、他のゲンゴロウ類と捕食対象が重なることから種間競争への影響も考えられるという。

情報源 長崎大学 学術情報一覧
機関 長崎大学
分野 自然環境
キーワード 地球温暖化 | 絶滅危惧種 | 高温 | 長崎大学 | 生存率 | ゲンゴロウ | コガタノゲンゴロウ | 発育下限温度 | 種間競争
関連ニュース

関連する環境技術