(独)海洋研究開発機構は、同機構の北極海総合研究チームとカナダ漁業海洋省海洋科学研究所との共同研究により、北極海が炭酸カルシウムの殻を持つプランクトンなどの海洋生物にとって住みにくい海(炭酸カルシウムに対して未飽和な海)になっていることが初めて明らかになったと発表した。この現象は、人為起源二酸化炭素の増加に伴う海洋の酸性化に加え、近年の北極海での急激な海氷減少(融解)が原因という。今回の成果は、2008年に日本・カナダ・アメリカなどの研究機関が北極海で実施した海洋観測の結果を、1997年(海氷融解が劇的に進行する前)に同じ海域で行われた観測結果と比較することで得られたもの。その結果、炭酸カルシウムの飽和度は1997年に比べ2008年の値が極めて低いこと、また海水中の酸素同位体比から海氷融解水の量を算出したところ、炭酸カルシウム飽和度の低下には海氷融解が強く影響していることがわかったという。
情報源 |
(独)海洋研究開発機構 プレスリリース
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機関 | (独)海洋研究開発機構 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | CO2 | 海洋生物 | プランクトン | 海洋研究開発機構 | 北極海 | 酸性化 | 酸素同位体 | 海氷 | 炭酸カルシウム |
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