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 北大と新潟大、「寒波」がより強い寒波をもたらす気候メカニズムを解明

発表日:2019.11.11


  北海道大学と新潟大学の研究グループは、「寒波」がひとたび生じると、陸域の温度上昇が通年で妨げられ、経年的に強い寒波をもたらすメカニズムを定量的に評価した。近年、中緯度の寒波が増加傾向にあり、北極海の海氷減少が原因のひとつと見られている。同研究グループは、温暖化時の海氷減少を想定した気候変化のシミュレーションを行い、「極端な低温が陸域などに記憶され、大気状態におよぼす影響(メモリ効果)」を定量的に見積もる手法を開発した。ユーラシア大陸全域が寒冷で積雪が多く、雪解けが遅れることで、日射による地面の温度上昇が妨げられ、その状態が夏から秋にかけて持続する。そのため、翌冬の積雪時期が早まり、積雪が日射を反射して地面付近の温度上昇を妨げ、本格的な冬の到来が加速して、さらなる「寒波」が生じやすい気候状態を創出するという。メモリ効果によって、後年の寒波は海氷減少によって生じた寒波の約2倍になる可能性があるという。

情報源 北海道大学 研究発表
新潟大学 研究成果
北極域研究推進プロジェクト 新着情報(PDF)
機関 北海道大学 新潟大学 北極域研究推進プロジェクト
分野 地球環境
キーワード 北極海 | シミュレーション | 北海道大学 | 海氷 | 温暖化 | ユーラシア大陸 | 新潟大学 | 寒波 | 中緯度 | メモリ効果
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