神戸大学と東京大学の研究グループは、森の季節性と河川の食物網の変化などを再現するユニークな実験を考案し、「生態系がつながる期間の長さ」が渓流生態系に及ぼす影響を解明した。同研究グループは、サケ科魚類の採餌特性、渓流の食物網構造や生態系機能との関わりなどを想定し、大型プールを用いた野外実験を行った。ミールワームの供給条件が異なる実験区(①30日集中供給、②90日間持続的供給、③供給なし)を設置し、アマゴの摂餌内容と体サイズ、底生動物の生息個体数、底生動物が川の中にある落葉を食べて破砕する速度を調査した。その結果、①ではアマゴ同士の餌をめぐる競争が緩和され、多様な体サイズの個体が成長していること、②では大型の個体が偏在し、繁栄しやすいこと、①と②の底生動物の生息個体数や落葉破砕速度に差異があること等が示唆された。陸生昆虫の供給量は森の季節性と結びついていることから、緯度や標高によるパターンの違い、気候変動に対する生態系の応答を理解・予測する上で重要な知見になるという。
情報源 |
神戸大学 研究ニュース
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機関 | 神戸大学 東京大学大学院農学生命科学研究科 |
分野 |
地球環境 自然環境 |
キーワード | 気候変動 | 魚類 | 神戸大学 | 食物網 | 底生動物 | 季節性 | 渓流生態系 | 採餌特性 | ミールワーム | 陸生昆虫 |
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