名古屋大学と福井大学の共同研究グループは、鼻腔内の鉛濃度がスギ花粉症の憎悪因子であることを実証した。同研究グループは、大気汚染物質の曝露と季節性アレルギー性鼻炎の重症度に関する知見を踏まえ、スギ花粉に含まれる「鉛」が「スギ花粉症」に影響を与えるという仮説を検証する臨床観察研究などに取り組んだ。花粉の飛散前・飛散中にスギ花粉症患者の鼻汁を採取して鉛濃度(Pbレベル)を測定した結果、飛散中の鼻汁は鉛濃度が高く、Pbレベルと各症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)との間に有意な相関があることが分かった。また、この相関関係は鼻汁を採取した日の前日から4日前の「花粉飛散量」と有意な関係にあることから、Pbレベルがスギ花粉症の悪化を助長していることが裏付けられた。さらに、アレルギー性鼻炎モデルマウスを用いて抗原とともに鉛を鼻腔に曝露した結果、くしゃみ等の症状が悪化することや、24時間後の鼻腔内Pbレベルが非アレルギーマウス(対照)よりも高い濃度で保持されていることが確認された。
情報源 |
名古屋大学 プレスリリース
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機関 | 名古屋大学 |
分野 |
健康・化学物質 大気環境 |
キーワード | 大気汚染物質 | 花粉飛散量 | 憎悪因子 | 季節性アレルギー性鼻炎 | 臨床観察研究 | 鉛濃度 | アレルギー性鼻炎モデルマウス | 抗原 | くしゃみ | 鼻腔 |
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