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 国環研、オーストラリア森林火災のCO2放出量を総合的に評価

発表日:2021.05.06


  国立環境研究所は、2019年3月~2020年2月の間に発生したオーストラリア森林火災(以下「2019・2020森林火災」)のCO2放出量に着目し、定量評価や空間変動・発生原因の解析を試行した。2019・2020森林火災はオーストラリア南東部を中心に頻発化し、地域住民はもとよりコアラなどの野生動物にも甚大な被害をもたらした大規模な災害として記憶に新しい。同研究所は「いぶき2号(GOSAT-2)」プロジェクトの一環として、燃焼エリアの推定データや衛星データ等を積み上げる手法(ボトムアップアプローチ)により、過去20年間に発生した森林火災の月別CO2放出量などを解析した。その結果、2019・2020森林火災のCO2放出量(推定値:806±69.7 TgCO2/年)は過去最大の値となり、森林火災面積は比較的大きいもののCO2放出量は少ない年があることが分かった。土地被覆図や気候データ等と照らしたところ、森林火災に伴うCO2放出量に対する地上部バイオマスの多寡や降水量の減少の「直接的な影響」と、森林中の可燃物や土壌の燃え広がりやすさに対する気温上昇と乾燥の「間接的な影響」が示唆されたという。

情報源 国立環境研究所 報道発表
機関 国立環境研究所
分野 地球環境
キーワード 野生動物 | GOSAT-2 | 定量評価 | 空間変動 | オーストラリア南東部 | コアラ | ボトムアップアプローチ | 森林火災面積 | 土地被覆図 | 地上部バイオマス
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