奈良市は、自然死・安楽死を除く犬猫の殺処分が2年連続「ゼロ」であったことを公表した。同市では「犬猫の殺処分ゼロ」を目標に掲げ、保護犬・保護猫の引取数減少や新たな飼い主への譲渡機会の拡大に向けた様々な取組を推進していた。平成30年度からは、飼い主のいない猫への「不妊去勢手術補助金制度」や民間制度(どうぶつ基金)を活用し、市とボランティアの協働により、飼い主のいない猫の繁殖制限に取り組んだ。令和2年度には、「不妊去勢手術補助金」を増額するとともに、預かりボランティアの活動を支援するため、「預かりボランティア医療費補助金制度(上限:5千円/頭)」を創設した。これらの取組等によって、663件あった殺処分数(平成20年度)は、令和元年度に初めて0件となり、令和2年度も「ゼロ」を継続した。自然死や、負傷し治る見込みがない等やむを得ない場合の安楽死等も最少の12件を記録した。一方、譲渡数は173件と過去最高を更新した。この成果は行政、市民、民間事業者、動物愛護団体等の連携・協力によるといい、令和3年度は、ふるさと納税の「犬猫殺処分ZEROプロジェクト」で募った寄付金の一部(総事業費517万円)を活用し、ボランティアの負担軽減、飼い主のいない猫の不妊去勢手術費用の助成、負傷した犬猫の医療の充実を図るという。