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 OISTなど、マンダリン類の種多様化をめぐる謎を解明

発表日:2021.07.26


  沖縄科学技術大学院大学(OIST)とローレンス・バークレー国立研究所などの共同研究チームは、東アジアに分布するマンダリン類(以下「ミカン類」)の地理的分散フレームを解明した。同研究チームは69のミカン類と共通祖先と見られている品種のゲノム解析を行い、中国南部・湖南省の山岳地帯に分布する祖先種が2つの亜種に分化し、そのうち1種が無性生殖によって子孫を殖やしていることを発見した。一方、沖縄県には無性生殖する特産品「シークヮーサー(Citrus depressa Hayata)」と、有性生殖する自生種が分布している。今回の調査を通じて、後者は「琉球マンダリン(正式名称:タニブター、Citrus ryukyuensis)」であると同定され、両種とタチバナなどの在来種との遺伝的距離の近さが確認された。現生亜種(地理的品種)の存在から、沖縄のミカン類が大陸の亜種を起源とするものであり、多様性の基点であることが示唆された。シークヮーサーはアポミクシス形質(有性生殖から無性生殖に置き換わること)を獲得しつつ、クローン繁殖によって安定化の道を辿り、琉球マンダリンは本邦の多様な在来柑橘類と交配し、多様化と栽培化の促進に寄与したという。

情報源 沖縄科学技術大学院大学 News
機関 沖縄科学技術大学院大学 ローレンス・バークレー国立研究所
分野 自然環境
キーワード 多様性 | クローン | マンダリン | 湖南省 | 無性生殖 | シークヮーサー | 琉球マンダリン | タニブター | タチバナ | アポミクシス
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