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 JOGMEC、低コスト・低環境負荷な坑廃水処理技術の国内導入に向けて前進

発表日:2021.08.26


  石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、自然の浄化作用を最大限に利用した坑廃水処理技術(パッシブトリートメント)に関する実証成果を発表した。現行の坑廃水処理では薬剤・電力・管理人員を常時必要とするため、かかるコストが課題となっており、自然に起こる化学反応や重力、バクテリア代謝などを活用するパッシブトリートメントが着目され、処理コストの低減(国民負担の軽減)、環境負荷の低減が期待されている。JOGMECは、酸性で有害金属を含む坑廃水に対するパッシブトリートメントの適用に向けて、「硫酸還元菌(SRB)」の高活性を引き出す独自プロセスを考案し、実際の休廃止鉱山で処理性能を把握するためパイロット試験(通水量:約5 L/min)などを行ってきた。当該プロセスは、もみ殻や米ぬか等を充填した反応槽(バイオリアクター)の中で、米ぬか由来の低分子有機物を栄養源とするSRBによって硫酸還元反応を促進しつつ、坑廃水に含まれる金属イオンは主に難溶性の硫化物として析出し、その金属硫化物を「もみ殻」で捕捉する仕組みとなっている。今回、実規模相当(通水量:100 L/min)における試験を通じて、約 1 年間(厳冬期を含む)にわたり処理が継続できることが実証され、省エネルギー化や大幅なコスト低減、CO2排出削減が期待できるプロセスとして、国内での導入に向けて前進した。

情報源 (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構 ニュースリリース
機関 (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構
分野 水・土壌環境
キーワード もみ殻 | バイオリアクター | CO2排出削減 | 自然浄化作用 | 抗排水 | パッシプ・トリートメント | 硫酸還元菌 | 米ぬか | 実規模 | 休廃止鉱山
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