新潟大学、同志社大学、(国研)海洋研究開発機構および気象庁気象研究所の研究グループは、寒冷渦の新指標を考案し、上空天気図(等圧面高度場)から自動的に計算する手法を開発した。「寒冷渦」は偏西風の蛇行に伴う北極からの寒気によって発生する低気圧。近年頻発化している豪雨・豪雪や竜巻・突風等(以下「極端気象」)が発現するときに、しばしば対流圏上層で確認されている。同研究グループは、寒冷渦を「⼀定の半径を持つ円型の凹み」と捉え、等圧⾯⾼度場を 2 次元格⼦化したデータセットを⽤いて、3つの要素(中⼼位置・強度・影響範囲)を抽出した。その結果、従来の天気図では点で表されていた寒冷渦の有り姿を反映した統⼀的・客観的な指標を構築することに成功した。また、この指標(寒冷渦指標)によって数⽇~1週間程度の時間スケールでの寒冷渦の検出や追跡が可能となる。またデータの前処理を必要としないため、ある時刻のスナップショットから指標値を算出し、天気図に重ね合わせて迅速な気象解析も可能となる。今後、極端気象の個別事例と寒冷渦指標との関係を詳細に調べ、さまざまな分野における展開を視野に入れて、極端気象の発現予測⼿法としての確立を進めていくという。
情報源 |
新潟大学 News
同志社大学 プレスリリース (国研)海洋研究開発機構 プレスリリース |
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機関 | 新潟大学 同志社大学 気象庁気象研究所 (国研)海洋研究開発機構 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 極端気象 | 低気圧 | 寒冷渦 | かんれいうず | 対流圏上層 | 等圧⾯⾼度場 | 天気図 | 寒冷渦指標 | 気象解析 | 2 次元格⼦ |
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