国立環境研究所は、新たな「残留性有機汚染物質(POPs: Persistent Organic Pollutants)」を取り巻く課題や、それらを含有する廃棄物の適正管理に向けた技術的な方向性を世界15か国の学識経験者、行政担当者等と共有した。2004年にPOPsの減少を目的とするストックホルム条約が発効し、締結国(2020年3月現在:181か国・2地域)はPCBsや農薬等の製造・使用・輸出入の禁止または制限している。近年、これまで適用除外であった「プラスチック添加剤(以下『新規POPs』)」が条約の規制対象物質となり、排出が予想される新規POPs含有プラスチック廃棄物に関する国際協調や国内対応が喫緊の課題となっている。同研究所は、千葉大学・いであ(株)と共に環境研究総合推進費研究課題「新規POPs含有プラスチック廃棄物の環境上適正な管理に向けた国際的な分析技術基盤の整備」に取り組んでいる(実施期間:2019~2021年度)。その一環として、2021年12月3日にオンライン形式の国際セミナーを開催した。新規POPsのうち臭素系難燃剤(デカブロモジフェニルエーテル)と短鎖塩素化パラフィンを取り上げ、同研究所および英・印・蘭・独・白の研究者による最新の調査研究成果が紹介され、新規POPs含有廃棄物の管理における課題等について活発な意見交換が行われた。使用済みプラスチックの循環利用に伴うPOPsの非意図的混入や代替難燃剤の評価、途上国の実態調査の必要性、新たな懸念物質の分析上の課題について相互理解が深まり、各国の継続的な努力と分析技術基盤の脆弱な国々との連携および技術支援の必要性が共有されたという。
情報源 |
国立環境研究所 報道発表
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機関 | 国立環境研究所 千葉大学 いであ(株) |
分野 |
健康・化学物質 |
キーワード | ストックホルム条約 | POPs | 残留性有機汚染物質 | 農薬 | 国際セミナー | プラスチック添加剤 | PCBs | 臭素系難燃剤 | 環境研究総合推進費研究 | 塩素化パラフィン |
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