(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構は、同機構の産業技術研究助成事業の一環として、(独)電力中央研究所・エネルギー技術研究所の神田英輝主任研究員が、液化ジメチルエーテル(DME)を用いて、藻類(アオコ)から「緑の原油」を常温・高収率で抽出する方法を開発することに成功したと発表した。「緑の原油」とは、微細藻類の細胞の中の油分を総称したもので、石油代替燃料として使用する試みが広がっている。しかし、微細藻類は水中で光合成するため多量の水を含み、この水分が微細藻類から「緑の原油」を抽出する際の大きな障害になっていた。今回の研究では、DMEが水にも油にも混ざる性質を利用して、アオコから常温で脱水と油分抽出を同時に行える方法を開発。従来の、微細藻類を機械処理により泥状の状態まで脱水する方法と比べ、脱水・乾燥に必要なエネルギーを大幅に低減でき、抽出のための有機溶剤が不要となり、低コストで環境に優しい油分抽出システムを実現できるという。