石川県ふれあい昆虫館(白山市)は、環境省版レッドリストで準絶滅危惧種に指定されている「タイワンオオミズスマシ」の飼育方法を確立した。同種が属するミズスマシ科には絶滅危惧種が多く、ミズスマシ科18亜種のうち12亜種が環境省版レッドリストに掲載されている。絶滅の危機から希少種を守るために、飼育下で種を存続させる「生息域外保全」が行われるが、飼育の難易度が高いため、継続的な世代交代を可能とする安定した飼育方法は世界的に見ても報告されていなかった。水生コウチュウ目においては、ゲンゴロウ科などで飼育方法に関する研究が進められてきたが、ミズスマシ科の研究は遅れていた。今回、飼育が困難な流水性のタイワンオオミズスマシの飼育方法を確立し、2022年1月時点で10世代の累代飼育に成功しているとのこと。これまでミズスマシ類が幼虫からサナギになるタイミングを判断するには高度な技術と経験が必要だったが、茶こしを使用することで目視での判断を可能にし、生存率を高めた。この飼育方法は、絶滅危惧種の知られざる生態の発見に貢献し、生息域外保全の実現に役立つ研究の進展に役立てられるという。
情報源 |
石川県ふれあい昆虫館 トピックス
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機関 | 石川県ふれあい昆虫館 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 絶滅危惧種 | 生息域外保全 | レッドリスト | サナギ | 石川県ふれあい昆虫館 | タイワンオオミズスマシ | ミズスマシ科 | 世代交代 | 飼育方法 | 茶こし |
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