国内ニュース

 愛知県、メタン直接分解によるターコイズ水素製造技術を開発

  あいち産業科学技術総合センター産業技術センターは、（株）伊原工業、東京理科大学、名古屋大学、静岡大学と共同で、（国研）新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の委託事業を実施し、天然ガスの主成分であるメタンを直接分解して水素を生成する技術を開発した。カーボンニュートラル社会実現にむけて、CO2を排出しない水素製造技術の開発と社会実装が求められている。同技術は、CO2フリー水素の一つである「ターコイズ水素」の製造を可能にするもの。「ターコイズ水素」の普及拡大には、生成した炭素が触媒表面を覆うため、水素製造の能力が低下するという課題があった。同センターは従来の金属微粒子を触媒に用いる方法から金属板を用いる方法に変更し、生成した炭素を容易に触媒表面から取り除く装置を開発した。また、2019年度からはNEDOの委託事業で、オンサイト型水素ステーションへの導入を目指し、装置の大型化に向けた概念設計の検討や金属触媒の最適化と、生成した炭素の利用方法の検討を行った。これら研究開発で、水素製造能力が長期間安定し、大型化が可能であることが示されたという。今後、同開発内容の詳細を、2023年6月22日に開催する「第48回工業技術研究大会」で発表するという。