福島大学共生システム理工学類・吉田准教授らの研究チームは、気候変動が緩和されない場合、コメの経済損失が拡大し、その頻度も高まることを明らかにした。研究によると、気温が産業革命前と比較して4℃上昇した場合、東北の「ひとめぼれ」と九州の「ヒノヒカリ」の年間生産額はそれぞれ93.9%と75.9%に低下する可能性がある。また、現在発生している生産額の低下はより高頻度で起こると見込まれている。シミュレーション結果に基づくと、昇温1℃あたりの経済損失は東北で70億円、九州で120億円と推定される。これらの影響を緩和するためには、田植え日の早期化や高温耐性品種の導入が必要であると結論付けられた。この研究成果は、日本農業気象学会の学会誌「Journal of Agricultural Meteorology」に掲載された。
