京都大学と広島大学の研究グループは、気候変動の緩和に対する電気自動車の役割を解明し、交通部門だけでなく社会全体の取組が必要であることを結論した。電気自動車の普及により、自動車由来のCO2排出量は大きく変わることが予想されるが、パリ協定で定める気候安定化目標(2℃目標など)にどの程度貢献するかは分かっていなかった。今回、同研究グループは、電気自動車の導入状況と交通部門以外の排出削減努力を進展度合いによって6通りのシナリオを設定し、総合評価モデルによりシミュレーションを行った。その結果、電気自動車の導入により、エネルギー消費量は減少するが、火力発電に依存する現状のままでは将来のCO2排出量はほとんど変わらず、正味で増加することが分かった。さらに、仮に発電システムに再生可能エネルギーを大規模に導入した仮定においても、2割程度のCO2削減にとどまった。この成果は、2℃目標達成のため、家庭・産業・交通といったエネルギー需要側と発電などエネルギー供給側の社会全体での脱化石燃料化の必要性を示すという。
情報源 |
京都大学 研究成果
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機関 | 京都大学 広島大学 |
分野 |
地球環境 環境総合 |
キーワード | 再生可能エネルギー | 電気自動車 | 気候変動 | CO2排出量 | 京都大学 | シミュレーション | 広島大学 | パリ協定 | 2℃目標 | 総合評価モデル |
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