日本原子力研究開発機構(JAEA)は、標準成人日本人の体格及び臓器質量の特性を反映したポリゴン型人体モデルを新たに開発し、無償で公開することを発表した。―――このモデルは、国際放射線防護委員会(ICRP)の提言にある、放射線感受性が高い幹細胞領域の被ばく線量評価の必要性を踏まえ、JAEAが独自開発したもの。従来のボクセル型モデルでは難しかった詳細な被ばく線量評価が可能となり、眼球組織や幹細胞領域等の複雑な構造をミクロサイズで再現できる。医療や原子力分野での被ばく線量評価及び放射線防護研究において、より正確な評価が期待される。また、新しい人体モデルは、JAEAが開発を進めるモンテカルロ放射線挙動解析コードPHITSと組み合わせることで、様々な被ばく条件における人体内での放射線の挙動を正確にシミュレーションすることができる。―――このポリゴン型人体モデル(JPM及びJPF)は、GitHub上で無償公開され、誰でもアクセスして利用することができる。放射線治療において患者や施術者の姿勢や体格を考慮した効果的な治療計画の立案及び適切な線量管理が可能となり、被ばく防護の最適化が期待される。【用語解説】ポリゴン型人体モデル:人体の形状や構造を多角形(ポリゴン)の集合で表現した3次元コンピュータグラフィックス技術を用いたモデル。アニメーションやゲームなどで広く使用されており、複雑な形状を滑らかに再現することができる。
情報源 |
日本原子力研究開発機構 プレスリリース
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機関 | 日本原子力研究開発機構 |
分野 |
ごみ・リサイクル 環境総合 |
キーワード | ポリゴン型人体モデル | 被ばく線量評価 | 放射線防護 | ミクロサイズ | 幹細胞領域 | GitHub | 無償公開 | モンテカルロ解析 | PHITS | 医療分野 |
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