東京大学国際高等研究所 新世代感染症センターと第一三共株式会社の研究グループは、LNP-mRNAワクチンが牛由来の高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスに対して高い防御効果を示すことをマウスモデルで明らかにした。この研究は、2024年3月に米国の乳牛で確認されたH5N1ウイルスがヒトを含む哺乳類にも感染することを受けてデザインされたもの。具体的には、ニワトリ由来のH5N1ウイルスのHAを基に作製したLNP-mRNAワクチン候補製剤を用い、マウスに2週間間隔で2回免疫し、2回目の免疫の6週間後の血清中のHA結合抗体価を評価した。その結果、ワクチン投与群は非投与群に比べてウイルスの増殖および病原性が強力に抑制され、特に高用量投与群では感染性ウイルスが全く検出されなかった。これにより、LNP-mRNAワクチンが種の壁を越えたウイルス感染に対しても有効であることが示された。この成果は、LNP-mRNAワクチンが新型コロナウイルスに対する有効性に加え、高病原性鳥インフルエンザのような全身感染を引き起こすウイルスに対しても高い防御効果を持つことを示している。研究結果は10月30日に英国科学誌「eBioMedicine」にオンラインで公表された。
情報源 |
東京大学 プレスリリース
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機関 | 東京大学国際高等研究所 新世代感染症センター |
分野 |
健康・化学物質 自然環境 |
キーワード | 高病原性鳥インフルエンザ | 人獣共通感染症 | LNP-mRNAワクチン | H5N1ウイルス | 防御効果 | マウスモデル | 免疫応答 | ウイルス増殖抑制 | 全身感染 | eBioMedicine |
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