大阪公立大学大学院工学研究科の池川氏(当時 博士前期課程2年)と深津助教らの研究グループは、水蒸気を効率良く吸収・放出できる吸湿剤を開発した。この吸湿剤は、水をよく吸収するポリエチレングリコール(PEG)に、それよりやや水を吸収しにくいPEGをランダムに繋ぎ合わせたもの。従来の吸湿剤は水の吸収性能に重点を置いていたが、本研究では水の放出性能を高めることで、吸収・放出の高効率化を達成した。従来の吸湿剤では、吸収した水を取り出すために約100℃まで加熱する必要があったが、本吸湿剤は35℃で水を取り出すことができる。この特性により、砂漠などの乾燥地域でも効率よく水資源を回収できることが期待される。──池川氏は「化粧品等に用いられるPEGを用いて、従来よりもエネルギー効率の高い水脱着メカニズムを見出すことができ、大変嬉しく思います。今回見出したメカニズムが実用化され、水問題の解決に役立つことを願います」とコメントしている。なお、この研究成果は、国際学術誌「ACS ES&T Water」のオンライン速報版に掲載された。
情報源 |
大阪公立大学 最新の研究成果
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機関 | 大阪公立大学 |
分野 |
水・土壌環境 環境総合 |
キーワード | 乾燥地域 | 水資源 | エネルギー効率 | 水蒸気 | 吸湿剤 | ポリエチレングリコール | ポリプロピレングリコール | 吸収性能 | 放出性能 | 低温回収 |
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