萩原工業と三井化学は、「使用済みブルーシートを選択的に回収し、再生材の品質向上を図る識別技術(ケミカルトレーシング)」実証を開始する。萩原工業は、国内ブルーシート製造のトップシェアを誇り、廃ブルーシートのアップサイクルなどにも積極的に取り組んでいる。しかし、現在進めている「使用済みブルーシート水平リサイクルプロジェクト『ReVALUE+®(リバリュープラス)』」では、回収した廃ブルーシートの中に他社品が混入したり、異物の付着したりすることで再生材の品質が低下する問題が生じている。
今回、両社は再生材の品質向上に資する新技術の開発に向けてタッグを組む。萩原工業は、保有する産業機械製造技術を応用した、高度な洗浄技術・装置開発や異物除去機能の高い(高度濾過)造粒装置、樹脂粘度を調質・改質する技術の開発を推進する。一方、三井化学は、サーキュラーエコノミー推進に関する事業の一環として、プラスチック製品中の含有成分、または意図的に添加した化学物質を用いた識別技術「ケミカルトレーシング」の開発を進める。
最終的なゴールは、萩原工業製品と他社製品を判別する手法を構築し、水平リサイクル品への再生材比率を向上させることである。また、三井化学のブロックチェーン技術「RePLAYER®」とケミカルトレーシングを組み合わせた新たなトレーサビリティ管理の導入可能性も検証するという。