広島大学の研究グループは、長崎県の島原半島に位置する「白洲」で、新種を含む10種のサンゴモ球を発見した。本研究は、北西太平洋の「サンゴモ球の藻場」を構成するサンゴモ類の種多様性を、遺伝的類縁関係と形態的特徴の両方に基づいて初めて報告したものである。特に、2種の新種Roseolithon littoraleとR. sabulosumが命名されたことが注目される。── 「白洲」は、体に石灰質を沈着して石のように固くなる紅藻サンゴモ類が集積した藻場である。研究チームは、2018年から2023年にかけて採集した標本を用いて、葉緑体とミトコンドリア遺伝子のDNA塩基配列による分子系統解析と、体表面や組織の光学顕微鏡および電子顕微鏡観察を行った。その結果、10種のサンゴモ球が確認され、そのうち2種が新種として記載された。── 今回の研究成果は、サンゴモ球の多様性とその生態系における役割を明らかにするものであり、今後の研究においても重要な基盤となるだろう。特に、新種の発見は、海洋生物学の発展に寄与するものであり、さらなる調査成果の蓄積が期待される。