東北大学大学院農学研究科の深澤准教授を代表とする研究グループは、「ナラ枯れ」が森林のCO2放出量に与える影響を調査した。ナラ枯れとは、カシノナガキクイムシが媒介する病原菌Raffaelea quercivoraが引き起こす通水阻害によってコナラ属樹種が枯死する現象のこと。1980年代から全国各地(北海道と沖縄を除く)に拡がり、コナラやミズナラといったブナ科の優占樹種を大量に枯死させている。──研究グループは、宮城、京都、宮崎の3か所で、コナラ丸太の分解過程と菌類群集の変化を1年半にわたって調査した。その結果、ナラ枯れで枯死したコナラ丸太は健全なコナラ丸太よりも内部の菌類群集の多様性が低く、分解が遅いことが明らかになった。本成果は、森林のCO2放出量を評価するうえでこれまであまり考慮されてこなかった新たな視点を提供している。──今後、深澤准教授らは、ナラ枯れがコナラ丸太の分解に長期的な影響を与えるか否かを継続的に観測する予定であり、森林がCO2放出に与える影響の予測精度向上が期待される。
情報源 |
東北大学 プレスリリース・研究成果
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機関 | 東北大学 |
分野 |
地球環境 自然環境 |
キーワード | 環境影響 | 宮崎 | 森林生態系 | 京都 | 菌類群集 | ナラ枯れ | 長期観測 | CO2放出 | 木材分解 | 宮城 |
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