環境省は、「生物多様性見える化システム(一部機能)」の試行運用を開始した。同省は、「生物多様性国家戦略2023-2030(2023年3月閣議決定)」に基づき、30by30目標の達成と多様な生態系のネットワーク化に資する新たなシステムの設計・開発を進めてきた。──同省の概要説明資料によると、当該システムの主な機能・特長は以下の3つである。1)自然共生サイトの活動やモニタリング記録を登録できる機能があり、各サイトの概要、アピールポイント、管理計画、活動状況、生物情報、生態系サービスなどをダッシュボードとして可視化することができる。これにより、モニタリング情報と合わせてオープンデータ化が可能となり、透明性が向上する。2)生物多様性保全に関するガイドラインをカテゴリやフリーワードで検索できる活動支援ツールが提供されている。申請予定地を地図上で選択すると、自然共生サイトの生物多様性の価値に関する情報を取得し、申請書のひな形を出力することができる。3)保護地域、自然共生サイト、重要里地里山などの生物多様性情報をグルーピングして地図上に可視化する機能がある。自治体ごとの保全目標とその現況をダッシュボードとして表示し、地域の生物種リストを検索することも可能である。──今回、同省は当該システムのうち、保護地域や自然共生サイト、生物多様性保全上効果的な場所を地図上で確認できる「生物多様性マップ」、自然共生サイトの取組内容を確認できる「自然共生サイト検索ナビ」を先行公開した。企業や自治体が生物多様性の現状を把握し、効果的な保全活動を行うための強力な支援ツールとなることを期待している。