三井不動産と同社100%出資子会社・東京ミッドタウンマネジメントは、「東京ミッドタウン日比谷」が(一社)いきもの共生事業推進協議会による「ABINC認証」を取得し、「東京ミッドタウン(六本木)」のミッドタウン・ガーデンが環境省らの「自然共生サイト」に認定されたと発表した。
三井不動産は、環境との共生を掲げる「& EARTH for Nature」宣言のもと、都市部における生物多様性の保全に取り組んでいる。ABINC認証は、企業活動における生物多様性配慮を評価する制度であり、日比谷では日比谷公園・皇居と連続した緑地環境を活かし、巣箱・石積み蛇篭・エコスタック・バードバスなどの設置を通じて生態系への配慮を強化。さらに、ハイラブル社の生きもの音声分析技術「KoeTurri」を導入し、来街者向けに生物の生息状況を館内サイネージで発信するなど、環境可視化にも取り組んでいる。一方、六本木のミッドタウン・ガーデンでは、旧防衛庁時代からの保存木(クスノキ・ケヤキ・エノキなど)が15m超の高木となって林冠を形成。約1.38haの緑地には220種以上の植物、鳥類26種、爬虫類3種、両生類1種、昆虫類40種が確認されており、東京都レッドリスト区部における絶滅危惧種(ヒガシニホントカゲ、ニホンカナヘビ、ヤマトタマムシなど)も生息している。
これらの取り組みは、2025年4月に策定された「& EARTH for Nature」の重点課題「緑を守り育む」「生態系を豊かにする」「地域の想いをつなぐ」に対応しており、都市部においても自然と人が共生する街づくりのモデルケースとして位置づけられる。三井不動産は今後も、地域・行政・企業を巻き込んだ活動を牽引し、持続可能な環境ネットワークの形成を目指すとしている。