九州大学発のスタートアップ企業である「JCCL」は、福岡市の研究開発型スタートアップ成長支援事業の支援を受け、家庭用給湯器からのCO2回収に世界で初めて成功した(同社調べ)。
同社は、CO2分離・回収技術の社会実装を目指し、2020年12月から九州大学との深い連携のもとで技術開発を進めている。最近では、独自に開発した装置「VPSA1」を用いて排気ガス中のCO2(濃度5.7%)を99%以上の高濃度にまで濃縮する実証に成功している。
これまで、当該装置を用いたCO2回収は火力発電所や製鉄所などの大規模排出源を対象としてきたが、家庭用や小規模な燃焼装置からの回収技術は未開発であった。一方、空気中に放出されたCO2を再回収するDAC(直接空気回収)技術が注目されてきたが、空気中のCO2濃度は約400ppmと極めて低く、回収には高コストが伴うという課題があった。
JCCLはこの課題に対し、地域に分散する小規模排出源から直接CO2を回収する装置「VSS1」を新たに開発。今回の実証では、家庭用ガス給湯器の排気ガスから高純度のCO2を安全かつ低コストで回収することに成功した。回収されたCO2は、ドライアイスや都市ガスなどへの転換が可能であり、今後の利活用が期待される。
本システムは、科学技術振興機構(JST)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、福岡市の支援を受けて開発されたものであり、JCCLは今後、ガスヒートポンプ、空調設備、ボイラー、自動車など多様な小型排出源への展開を視野に入れている。
情報源 |
福岡市 プレスリリース資料
JCCL プレスリリース |
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機関 | 福岡市 (株)JCCL |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 宇宙航空研究開発機構 | 実証実験 | カーボンニュートラル | 福岡市 | 直接空気回収 | 家庭用給湯器 | スタートアップ支援 | 技術実装 | CO₂分離回収 | 小規模排出源 |
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