三井不動産は、空のモビリティの社会実装を視野に入れて、垂直離着陸型航空機(VTOL)に対応した離着陸場「バーティポート」の開発および運営事業に着手した。バーティポートとは、「Vertical(垂直)」と「Airport(空港)」を組み合わせた造語である。2015年にシカゴで導入されたヘリポートを改良したVTOL専用の発着設備の名称に由来し、近年では空のモビリティのインフラとして注目されている。
本事業は、築地地区まちづくり事業(東京都中央区)および三重県・伊勢志摩地区(NEMU RESORT等)を皮切りに、三井不動産グループが保有・開発する幅広いアセットへの展開を視野に入れている。都市部やリゾート施設、物流拠点など多様な用途に対応するバーティポートの整備を進めるとともに、離着陸管理などの運営体制の構築も検討している。空のモビリティは、電動化、低騒音、垂直離着陸といった特性を持ち、都市部への導入による移動時間の短縮や新たな体験価値の創出が期待されている。機体の量産化が進む中、インフラ整備は社会実装に向けた重要なステップとされる。
トヨタ自動車株式会社、朝日航洋株式会社(2025年7月よりエアロトヨタ株式会社に社名変更予定)、ANAホールディングス株式会社との連携を通じて、空のモビリティ産業の創造と国際競争力の強化を目指す。──今後は、物流施設併設型のドローン実証施設「板橋ドローンフィールド」(東京都板橋区)との連携や、日本橋など都市部のオフィスビル・商業施設・空港・駐車場などへの展開も検討されている。