新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/競争力ある生成AI基盤モデルの開発(GENIAC)」に係る公募の審査結果を発表し、43件の申請の中から複数の実施予定先を決定した。
本事業は、ポスト5G(第5世代移動通信システムの次世代技術)に対応した情報通信システムの中核技術を開発することで、日本の製造・開発基盤の強化を目指すものである。ポスト5Gは、超低遅延・多数同時接続などの機能を備え、スマート工場や自動運転など多様な産業分野への応用が期待されている。――採択されたテーマの中でも特筆すべきは、Degas株式会社による「リモートセンシング用視覚言語モデルの研究開発」である。衛星画像などの遠隔視覚情報をAIで解析する技術は、防災、農業、都市計画など広範な分野での活用が見込まれており、生成AIの応用領域として注目されている。Degas社は、視覚と言語の統合モデルを用いて、衛星画像の意味理解を高精度かつ効率的に行う基盤技術の構築を目指している。
他にも、外科手術支援AI(Direava社)、創薬AI(アリヴェクシス社)、自動運転向け物理モデル(Turing社)など、産業特化型の生成AIモデル開発が多数採択されており、国内技術の競争力強化に資する多様な取り組みが展開される予定である。