信州大学を中心とする研究チームは、アライグマが遊泳によって北海道洞爺湖の中島に侵入した事例を初めて報告した。――アライグマ(Procyon lotor)は特定外来生物に指定されており、現在44都道府県に分布している。農作物被害や生態系への影響に加え、人畜共通感染症の媒介が懸念されており、分布拡大の初期段階での対応が重要視されている。
従来、アライグマの分散距離や遊泳能力に関する情報は限られていた。そこで本研究では、湖岸から約5km離れた洞爺湖中島においてカメラトラップ調査を実施し、アライグマの生息を初めて確認した。本成果は、島嶼地域における外来種の侵入経路として「遊泳」が現実的であることを示すものであり、低密度地域への分布拡大予測や、分布辺縁部での戦略的管理に資する知見である(掲載誌:Mammal Study)。
研究チームは、「今後の外来種管理において、遊泳による侵入リスク」を考慮した早期発見体制の構築が必要であると指摘している。
情報源 |
信州大学 トピックス
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機関 | 信州大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | アライグマ | 特定外来生物 | 分布拡大 | カメラトラップ | 生態系影響 | 外来種管理 | 遊泳移動 | 島嶼地域 | 洞爺湖 | 哺乳類学 |
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