新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とSyntheticGestalt株式会社は、経済産業省が推進する生成AI開発支援プロジェクト「GENIAC」において、分子情報に特化した世界最大規模の基盤AIモデル「SG4D10B」を開発した。SG4D10Bは、創薬ベンチマークにおける毒性・透過性・安定性の3指標で世界最高性能を達成しており、特に毒性評価において高い精度を示した。
従来の創薬プロセスでは、分子構造の複雑さとデータ不足が課題となっており、AIによる予測精度の限界が指摘されていた。SG4D10Bは、Enamine社との共同研究により得られた100億件の化合物データを学習し、革新的な4D技術を採用することで、分子の立体配座を含む物理化学的特性を高精度に予測可能とした。
さらに、SG4D10Bの小型版である「SG4D100M」はGoogle CloudおよびAWS上で無償公開されており、国内製薬企業との実証も進行中である。加えて、ウェット試験で得られた7770件のフラグメント化合物の活性データもGitHub上で公開され、AIモデルの評価に活用されている。
本技術は、毒性評価を含む分子特性の予測を効率化することで、創薬のみならず農薬・化粧品・新素材などの分野における開発コストと時間の削減に貢献する。2025年3月には米国サンノゼで開催された「NVIDIA GTC 2025」にて国際発表が行われており、今後は国際市場への展開も予定されている。――発表者は、SG4D10Bが分子設計の初期段階での毒性予測を可能にすることで、実験の効率化と安全性の向上に寄与すると述べており、次世代基盤モデルの開発を継続する方針を示している。
情報源 |
NEDO ニュースリリース
SyntheticGestalt News |
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機関 | 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) SyntheticGestalt(株) |
分野 |
健康・化学物質 |
キーワード | 毒性評価 | ベンチマーク指標 | 国際展開 | 生成AI | 基盤モデル | 分子情報 | 創薬支援 | 4D構造解析 | 化合物データ | AIモデル公開 |
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