文部科学省は、令和8年度版の学習資料『一家に1枚』のテーマを「身近な現象から知る地球 自然と生きる列島」に決定した。――「一家に1枚」は、国民の科学技術への関心と理解を深めることを目的として、平成17年度より毎年制作されている学習ポスターであり、今回で第22弾となる。
令和8年度版は、防災科学技術研究所(防災科研)の「一家に1枚プロジェクトチーム」が企画・監修を担当する。地球科学や防災に関する知識を、身近な自然現象を通じて学べる構成が想定されている。令和8年度版の選定にあたっては、国立研究開発法人、大学、学会等からの提案をもとに、「一家に1枚」企画選考委員会が審議を行い、最終的に防災科研の提案が採択された。委員会には、科学館や大学の教育関係者、科学コミュニケーターなどが参画している。
制作されたポスターは、全国の小・中・高等学校、大学等に配布されるほか、科学館・博物館等の協力機関を通じて広く配布される予定である。現在、協力機関の募集も行われており、文部科学省の公式サイトにて詳細が案内されている。地震・津波・気象などの自然災害に関する科学的理解を促進し、地域や家庭における防災意識の向上にも資するポスターとなる予定であり、制作には、防災科研の複数部門から研究者・広報担当者が参画し、科学的正確性と教育的効果の両立を図る体制が整えられている。なお、完成は令和7年度末を予定しており、第67回科学技術週間(令和8年4月13日〜19日)に合わせて全国的な配布が行われる見込みである。