石川県ふれあい昆虫館の渡部学芸員、齊木学芸員らの研究チームは、絶滅危惧種に選定されている希少なカメムシ「フサヒゲサシガメ」を国内で約36年ぶりに再発見した(掲載誌:Japanese Journal of Systematic Entomology)。
フサヒゲサシガメ(Ptilocerus immitis Uhler, 1896)は体長は5 mm前後のサシガメ科に属する昆虫で、本州、四国、九州、台湾に分布し、かつては西日本で広く確認されていた。しかし、国内では近年記録がなく、環境省版レッドデータブックで絶滅危惧II類に選定されている。最新の正式な記録は1989年に岡山県で採集された1個体であり、その後は報告が途絶えていた。
今回の調査では、山梨県で雌成虫1個体を採集し、国内記録としては約36年ぶり、山梨県では初めての確認となった。本種はアリ類を捕食するとされ、過去の文献ではオオズアリを捕食するとの記載がある。研究チームは採集個体に対し、オオズアリを含む10種のアリを与えて捕食行動を観察したが、いずれも捕食は確認されず、オオズアリに対しては顕著な拒否反応を示した。この結果が寄主の不一致によるものか、捕食行動に必要な刺激が欠けていたためかは不明である。研究チームは、「今回の再発見は本種の生息状況や生態解明に向けた重要な手掛かりであり、今後はより多くのアリ種を対象とした実験により寄主の特定を進める必要がある」と述べている。
| 情報源 |
石川県ふれあい昆虫館 トピックス
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| 機関 | 石川県ふれあい昆虫館 |
| 分野 |
自然環境 |
| キーワード | 絶滅危惧種|レッドデータブック|サシガメ科|捕食行動|寄主特定|陸生昆虫|生息状況|アリ類|生態解明|再発見 |
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