東京大学、カルテック、宮崎大学の3者からなる研究グループは、「光触媒」が鳥インフルエンザウイルスや季節性インフルエンザウイルスの感染性を下げる効果を有するか調査した。研究では、酸化チタン(TiO₂)を用いた光触媒に可視光を照射し、ウイルスにどのような変化が起きるかを実験的に検証している(掲載誌:Catalysts)。
研究グループは、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)と、季節性インフルエンザウイルス(H1N1)について、ウイルスを光触媒に接触させた条件と、そうでない条件を比較し、感染性の変化を測定した。その結果、いずれのウイルスでも、光触媒と光の組み合わせによって感染性が低下することが確認された。さらに、電子顕微鏡による観察や分子レベルの解析を行い、光触媒の作用によって、ウイルスを包む膜が傷つくこと、ウイルス内部の遺伝情報(RNA)が損傷を受けること、そして表面にあるタンパク質が分解されることが示唆され、これらの作用が同時に起こることで、ウイルスが感染しにくくなると考えられた。
論文では、これらの作用をまとめて「多面的な抗ウイルス効果(multi-antiviral effects)」と表現している。光触媒は一つの仕組みだけでウイルスを弱めるのではなく、いくつかの異なる働きが重なって感染性を下げている、という見解だ。
| 情報源 |
UTokyo FOCUS
|
|---|---|
| 機関 | 東京大学 |
| 分野 |
健康・化学物質 自然環境 |
| キーワード | 光触媒|酸化チタン(TiO₂)|高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)|季節性H1N1|エアロゾル不活化|405 nm可視光|ウイルス膜・RNA損傷|HAタンパク質分解|JIS準拠試験|環境ウイルス対策 |
| 関連ニュース |
