滋賀県立大学と京都大学の研究グループは、京都市の賀茂川におけるオオサンショウウオ類の個体群動態を推定し、外来種との交雑が進行して在来種が絶滅寸前であることを明らかにした(掲載誌:保全生態学研究)。
オオサンショウウオは国の特別天然記念物であり、環境省レッドリストで絶滅危惧II類に指定されている。しかし1970年頃に持ち込まれたチュウゴクオオサンショウウオとの交雑が進み、遺伝的独自性の喪失が深刻化している。賀茂川は両種の交雑が初めて報告された地域であり、外来生物法による管理強化が進められているが、外来種や交雑個体を防除するための基礎情報は依然不足していた。
研究グループは2005年から2021年までの134回の調査データを用い、状態空間モデルを構築しベイズ法で解析した。結果、2021年時点で在来種は推定4.5個体、純粋な外来種も31個体に減少し、雑種第2代以降の交雑個体が推定2800個体以上に増加して賀茂川の個体群のほぼ全てを占めていた。調査1回あたりの発見率は0.08%未満であり、現行の捕獲・除去手法では防除が困難であることも示された。
研究者は、「交雑個体定着後の防除には対象地域を絞った低減管理や電気魚類採捕装置、巣穴トラップなど効率的な捕獲手法の開発が急務」と述べている。今後は公的事業において個体群サイズの推定を継続し、効果を評価しながら対策を進める方針だ。