岐阜大学と沖縄県病害虫防除技術センターの研究グループは、2012年に根絶が達成されたアリモドキゾウムシ(Cylas formicarius)が、2021年に沖縄県久米島へ再侵入した事例を対象に、検出から再根絶に至る防除過程の詳細を分析した(掲載誌:Applied Entomology and Zoology)。
本研究では、性フェロモントラップによる継続的監視の下で、根絶後としては初めて雄成虫1個体が捕獲された事例を起点に、追加トラップ設置や寄主植物調査が実施された。成虫は特定のサツマイモ圃場周辺で複数回捕獲されたものの、サツマイモや野生寄主植物から幼虫や成虫は確認されなかった。研究グループは、侵入初期段階での拡散防止を目的として、発生源と推定された圃場の作物除去とともに、周辺約100ヘクタールの範囲で不妊虫放飼法を実施した。
不妊虫放飼は約200日間にわたり行われ、累計で約300万頭の不妊虫が放飼された。その結果、最後の成虫捕獲以降、2世代分に相当する期間にわたりアリモドキゾウムシは検出されず、侵入個体群は再び根絶されたと判断された。過去の国内侵入事例と比較すると、本事例は防除面積に対して根絶までの期間が短く、侵入初期・低密度段階での対応事例として整理されている。また本研究では、侵入初期においては寄主植物調査のみでは検出が困難である一方、性フェロモントラップによる常時監視が侵入個体の早期発見に寄与したことが示されている。
これらの結果は、再侵入事例における監視手法と防除対応の実際を、定量的記録に基づいて示したものとなっている。
| 情報源 |
岐阜大学 研究・採択情報
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| 機関 | 岐阜大学 |
| 分野 |
自然環境 |
| キーワード | 久米島 | 害虫管理 | 不妊虫放飼法 | アリモドキゾウムシ | 侵入害虫 | 再侵入 | 早期検出 | 性フェロモントラップ | 根絶事例 |
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