(株)神戸製鋼所と東京電力(株)、中部電力(株)、関西電力(株)の4社は、120℃を超える蒸気を供給可能な高効率ヒートポンプシステム2機種を共同開発した。両機は、神戸製鋼所が平成23年5月より販売を開始する。従来、120℃を超える高温蒸気は、ボイラでしか供給できなかったが、工場等における省エネルギー化のニーズの高まりにより、高温蒸気をヒートポンプシステムで生成し、高効率に供給する技術が求められていた。今回4社は、120℃の蒸気供給が可能なタイプと、ヒートポンプに蒸気圧縮機を追加搭載することで165℃の蒸気供給を可能にしたタイプの2機種を製品化。これにより、工場内の温排水から熱回収し、蒸気を使用する多くの工程(殺菌・濃縮・乾燥・蒸留)において、ヒートポンプシステムの適用範囲が拡大するという。また、従来のガスボイラシステムと比較して、エネルギー消費量やCO2排出量を大幅に削減可能で、120℃蒸気供給タイプの場合、エネルギー効率はCOP3.2を達成し、エネルギー消費量を約6割、CO2排出量を約7割削減できるという。