原子力安全委員会は、道路の側溝等での放射性物質の蓄積について報告した。これは、同委員会が、平成23年5月24日から25日に実施した、福島市内の空間線量率などの調査結果として公表したもの。今回の調査では、市内の空間線量率(1~2μSv(マイクロシーベルト)/時程度)のレベルに比べて、数倍の放射線が観測される場所が街路近くで見つかり、これらは、道路の側溝(雨水溝)等に放射性物質を含む塵埃・泥・落葉が蓄積している箇所、あるいはそれらが回収されて堆積している箇所であることが示された。この状態は、生活環境における放射線被ばくの原因になる可能性があるため、同委員会では、福島県中通り地域及び浜通り地域の市町村において、以下のような放射線防護対策が考えられるとしている。1)該当する場所を把握し、住民に対して不必要に接近せず、清掃作業時にはマスクを着用する等の措置を行うよう注意喚起を行う、2)公道など利用者の多い道路を優先して、側溝等の泥・落葉などの回収・除去を行う。3)回収後、処分方法が決まるまでは汚染が広がらないよう適切に保管する。