(株)矢野経済研究所は、国内の地熱発電市場に関する調査を実施し、その結果を「地熱発電市場の将来展望」にまとめた。地熱発電とは、地下に存在する熱エネルギーを電気に変換する発電方式。蒸気で直接タービンを回して発電する「蒸気発電」と、比較的低温の蒸気・熱水を熱源として低沸点の媒体を加熱・蒸発させ、発生した媒体蒸気でタービンを回す「バイナリー発電」がある。同報告書の推計によると、国内における2010年度の地熱発電市場規模は約580億円となり、今後10年間では新たに約180MWの地熱発電設備が導入され、2011~2020年度の市場規模は、約8,490億円に急拡大する見込み。また、2010年以降、バイナリー発電システム市場への国内メーカー参入の動きが活発化しており、今後は技術競争によるシステムの低コスト化・小型化や性能・発電効率の向上が進むものと予見され、同システムの活用によって今後は温泉発電の普及拡大も期待されるという。