2010年4月に発生したメキシコ湾石油流出事故後の現場周辺の深海生態系の回復には、数十年を要するとの分析結果を、アメリカ海洋大気庁(NOAA)などの研究チームが公表した。この研究は、2010年秋と2011年春に現場海底で採取した試料をもとに、同一地点の生物構成と化学物質に同時に注目して、深海軟弱堆積物中の生物群集への石油流出の影響を初めて包括的に分析した。こうした深海の生物群集は、湾内の食物連鎖の基礎となるものである。事故の海底への影響範囲は広く、水中の巨大な原油プルームは約360平方マイルを覆い、生物多様性の低下が最も深刻なのは油井周辺約9平方マイル、中程度の影響は57平方マイルに及んでいるという。石油流出範囲の中型底生動物の多様性は激減し、線虫類が優占種になった。研究チームは、従来の統計技法と最新のマッピング技術を組み合わせた画期的な方法を開発し、原油流出事故の破壊的な爪痕の地図を作成したとしている。NOAAは、分析の完了にはあと1年程度かかるとしている。
情報源 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) プレスリリース |
---|---|
国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ海洋大気庁(NOAA) |
分野 | 自然環境 水・土壌環境 |
キーワード | 生物多様性 | 生態系 | 化学物質 | NOAA | アメリカ海洋大気庁 | 石油 | メキシコ湾 | 深海 | 流出 | 底生動物 |
関連ニュース |
|