モントリオール議定書の環境影響評価パネル(EEAP)は、4年に1度の評価報告書において、議定書に基づくオゾン層保護の取組により皮膚ガンの大幅な増加を回避したと報告した。報告書では、オゾン層破壊等の環境変化で生じる紫外線放射の変化に着目し、紫外線が人々の健康(皮膚ガンや白内障等)や生態系、生物地球化学的循環、大気質、物質に及ぼす影響を評価するとともに、オゾン層破壊が紫外線放射の変化とその環境影響を通じて気候変動とどのように相互作用するかを分析している。報告書によると、議定書の成功で、紫外線の増加は南極に限られ、北極でも数回の短期的影響にとどまっている。2030年までに、年間最大200万例の皮膚ガンが防止できるという。今後も議定書の効果的な実施が続けば、極地以外での紫外線の変化はオゾンではなく気候変化や大気汚染等が要因となって発生し、極地での紫外線レベルはオゾン層の回復および雲や地表反射率の変化で決まると指摘している。なお2015年は「オゾン層保護に関するウィーン条約」の採択から30周年である。
情報源 | 国連環境計画(UNEP) プレスリリース |
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国・地域 | 国際機関 |
機関 | 国連環境計画(UNEP) |
分野 | 地球環境 大気環境 |
キーワード | 気候変動 | オゾン層 | 国連環境計画 | UNEP | モントリオール議定書 | 紫外線 | 環境影響評価 | 皮膚ガン |
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