アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、2015年3月の世界平均大気中CO2濃度が観測史上初めて400ppmを超えたと発表した。これまでにも、2012年春に北極の観測地点で400ppmに達し、2013年にはマウナロア観測所で400ppmを超えたことはあったが、世界各地の40か所で観測した世界平均が400ppmを超えたのは今回が初めてであり、人為起源の温室効果ガス排出の影響の深刻さを示す重要な節目となるという。産業化以前と比べると、大気中CO2濃度は120ppm以上増加し、その増加の半分が1980年以降に起きている。また、2012年から2014年にかけての大気中CO2濃度の増加率は平均2.25ppm/年であり、3年連続したデータの分析結果として過去最高となる。NOAAは、大気中CO2濃度の増加を止めるには化石燃料起源の排出を約80%削減する必要があり、濃度を下げるにはそれ以上の削減が必要なうえ、長い年月を要するだろうとしている。