イギリス自然環境研究会議(NERC)は、様々な環境技術に必要で需要が増えている希少な元素の供給を確保するための研究に、800万ポンド強を投資すると公表した。コバルト、テルル、セレン、ネオジム、インジウム、ガリウム、重希土類などの元素は、自動車用リチウム電池、ソーラーパネル、風力発電用タービンの製造などクリーンエネルギーの供給やエネルギー利用効率化に不可欠だが、資源量が少ない。たとえば薄型の安価なソーラーパネルに必要なテルルは、地殻中にわずか0.0000001%しか含まれず、希少性は金の3倍である。これらの元素は、従来は商業規模で広く採掘されることはなく、他の鉱物の抽出時に生じる副産物扱いだった。だが、人口増と天然資源の消費拡大に加え、環境保護と温室効果ガス排出削減への世界的取組みが進み、低炭素技術を支えるこれらの希少元素の需要が増えている。NERCは、4つのプロジェクトを通じてこれらの元素の地殻中でのふるまいや採掘がもたらす環境影響を研究し、環境負荷の少ない抽出や回収の方法の開発に活かすとしている。