イギリス自然環境研究会議(NERC)を中心とするプロジェクトチームは、海洋の生物や環境のデータを収集する7台の観測ロボットをイングランド沖に投入すると発表した。プロジェクトでは、バッテリー式のグライダー型潜水艇をはじめ、イギリスの企業と開発した、風力、波力、太陽光などを動力とするロボット船など無人自立型海洋観測ロボットを稼働させるという。プランクトンの増殖に理想的な条件を有し、多くの海洋生物が集まるイングランドの南西沖300マイルをこれらロボット艇が20日間で移動し、水温や海面の気象条件の観測をはじめ、プランクトンの密度やイルカの鳴き声、水面カメラによる海鳥の画像など、きわめて広範なデータを収集する。このようなロボットを同時に数台投入する大規模なプロジェクトを実施するのは初めてで、複数のロボットを連動させる作業には困難が伴う。しかし海洋研究の課題に取り組むには、このような小型・静音で環境に配慮したロボットは理想的であり、今後の海洋における観測・監視能力を大きく変える可能性があるという。