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 記録的な高温のため北極地域の生態系が変化、アメリカ海洋大気庁が報告

発表日:2015.12.15


  アメリカ海洋大気庁は、10年目となる北極圏の現状の年次報告書「北極報告カード」で、北極圏は他地域の2倍の速さで温暖化していると報告した。報告書によると、2015年の北極地域の気温は平年より1.3℃高く1900年以降で最高を記録、北極海の海氷域面積は減少し、海水温も上昇傾向にある。グリーンランド氷床は面積の半分以上という顕著な融解が起き、氷河も大幅に減っている。氷の減少で海洋表層部の日照が増して植物プランクトンが異常増殖し、過去20~30年増加していたツンドラ植生もこの2~4年で減少や褐変が続いているという。今年の特別寄稿論文によると、繁殖や採餌等に海氷を使うセイウチは、海氷の減少でアラスカ北西部に上陸を余儀なくされているという。そのため、過密などによる集団暴走や食料難が生じているが、保護措置をとる国が増え、狩猟が減ったために個体数はあまり減っていない。また、バレンツ海の年次生態系調査で、タラなどの亜北極魚類が北方へ移動していることが判明した。さらに、地球温暖化による降水量の増加で、北極海への淡水流入量は、1980~89年に比べて10%増えているという。

情報源 アメリカ海洋大気庁(NOAA) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ海洋大気庁(NOAA)
分野 地球環境 自然環境
キーワード 生態系 | NOAA | 北極圏 | アメリカ海洋大気庁 | 海水温 | 海氷 | 温暖化 | 気温上昇 | 植生
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